遡ること約1年前。
水苔を盛り盛つかって仕立てたウィリンキーのお話。
↓前記事。
1.水苔を減らしました。
っということで本日は、
そんな水苔を沢山使って仕立てたのにも関わらず、
"水苔を減らした"お話です。
っというのも理由としましては...
1-1.ちょっとぐずついている。
このウィリンキーさんなのですが、
この夏、
室内管理ですが、
エアコンを利かせていてもなかなか温度が安定しないからか、
少しぐついてきました。
子株もなんか元気ない。
原因は暑さだけではないと思いますが、
詳しいところは分かりません。
勿論このまま管理していても復調することはありますが、
一度根っこをリセットしてやろうと思います。
1-2.強い根を育てるため。
これはまた別の記事にするつもりですが、
1年前に始めた水苔の量比較実験をして分かったこと。
動画にはしていない部分になりますが、
水苔を使っていないビカクシダの方が、
暑さに対して耐性が高いことが分かりました。
水苔を多く盛っている方は、
暑くなるとすぐに葉が垂れますが、
水苔がない子は多少暑くても胞子葉が垂れずなのです。
確かなことは分かりませんが、
これは「根の強さ」によるものではないかと考えています。
2.「強い根」とは。
ビカクシダの根はシダ植物なので、
非常に細い茶色い根を張り、
樹木に着生する性質があり、
水分を吸い上げる役割もあります。
しかしながら水苔を多く使ってしまうと、
通常着生するための強い根ではなく、
水苔などから栄養や水分を吸い上げるのが主な役割で根が発達します。
つまり着生するための根に比べると、
簡単に水や栄養素を確保できるため、
根自体が貧弱なのではないかと考えました。
この結果、
暑さに対する耐性が低くなり、
直ぐに胞子葉が垂れてしまう。
対して、
強い根は、
もともとごくわずかな水分や栄養素を吸い上げるように発達したので、
多少の暑さでも水を吸水し胞子葉に届ける"力"を持っている。
のだと。
2-1.強い根が強いビカクを育てる。
上記したことから、
まずは強い根を張らせることが、
夏の暑さや寒い冬、
水切れなど、
それらに対して強い耐性を持ったビカクシダを育てる第1歩なのだと思います。
"綺麗に育てる"っというのは別の考え方です。
勿論強く育てても綺麗に造ることが理想ですが、
あえて水苔の量を減らすと、
スタートはなかなか満足のいく生育が望めません。
時間のかかる道ですが、
今ワタシはこれは非常にアリな道だと感じている次第です。
3.まとめっというか感想。
っということで、
今回ウィリンキーさんはがっつり根を剥離しました。
そして仕立て直しても、
以前の3分の1以下程度の水苔。
出来る限り硬めにきっちりと。
ビカクシダを育ててきて7年目。
1,2年目は育てる楽しさ、
3,4年目は綺麗に造れた喜び、
5,6年目は大きくなる迫力に感動、
そしてこれからは逞しいビカクシダ作りを考えていきたいと思います。